命令することでしか満たされなかったはずの人が、いまは命令される妄想で濡れている。
そんなふうに反転するなんて、自分でも思っていなかったのかもしれない
――けれど、それを止めることもできなくなっている。
パンティに押し込んだ疼きは消えず、無様に晒される夢に繰り返し達してしまう。
かつて責めていた言葉を、今度は自分が浴びせられたい。
見下してきた目に見下され、弄ばれて、快感のなかで誇りを奪われたい。
罪悪感はもう限界を超えている。
許されたいのに、もっと堕ちたい。
その矛盾を誰にも言えず抱えていた人が、豊橋の密室で静かに開かれていく。
従順な身体も、快楽に濡れた顔も、晒してしまえるのは、支配の悦びを知る者だけが抱く、淫らで深い欲望に応えたいと願ってしまったから。