検索履歴だけ増えていく。女装。責められたい。男。
消しても、また打ち込む。夜中に開いて、朝には閉じる。
その繰り返しだった。実際に服を買ったことはない。
けれど、どんな色なら似合わないかだけは妙に詳しい。
誰にも話していないのに、頭の中だけ進んでいく。
鏡を見る時間も増えた。
豊橋日中の静かな部屋を想像すると、そこにいる自分だけ急に現実になる。
指が止まる。投稿主は強い言葉を使わない。
ただ、逃げ道を広げすぎない。
黙って待っているようで、こちらが戻る場所まで見ている。
否定しながら来る人を、何人も見てきた空気がある。
やり取りだけでもいい。その一文を閉じる前に何度も読む。
また同じ夜になる。そのまま戻るだけになる。
初めて女装したまま誰かの前に座った時、言葉より先に肩の力だけ抜けていく。
豊橋日中の明るさが、逆に隠せなくする。