そうやって過ごすうち、ずっと部活しかしてなかったのに授業ずけの日々は辛い!と飯の時に笑い話として話してたら、「倉庫の一角に器具あるから使いなよ。」と教えてもらいました。
まだ会社の作業員さん達とはほぼ交流無かったのでビビってました。社長の奥さんに連れられて行くと明らかに年下の作業員が3人トレーニングしてました。
「あんた達、土曜の夜なのにこんなところにいて!遊びに誘える女の子の1人や2人いないの?」と笑いながら自分を紹介してくれたので、タクトです!よろしくお願いします!と挨拶しました。年下っぽかったですが、働き始めたら先輩になるので敬語を使いました。3人の、うーっす、って気のない返事を聞くと奥さんは笑いながら立ち去りました。
奥さんが倉庫から出たのを確認するやいなや3人から囲まれて、色々聞かれて家の事情を話したらそれまでの睨みつけるような目線から少しマシになりました。まぁ社員でもない奴が住んでるんですから仕方ないです。その中でも1番年下のテルが、「お前、俺の後輩なんだろ?トレーニングする時はパンイチでやれよ?」とバカにしたように言ってきました。
多分キレさせたかったんでしょうが、男しかいない部活を何年やってきたと思ってんだ笑。「パンツ脱がなくていいんすか?」ってシャツとズボン脱ぎながら言ってやりました。3人は一瞬だけ怯んだけどノリが分かる奴と認められたみたいで、「汚ぇから見たくねえ!」と爆笑してました。トレーニングに関しては寧ろ教えるようになるのに時間はかかりませんでした。実はテルは16、残りの翔と拓は19だと言われたけど敬語で話すのは徹底しました。3人から、最初はどんな野郎かと思ったけど、タクトはタメ口でいいよ!と言われましたが敬語を貫きました。社員ですらない居候に近い男が先輩社員にタメ口きいて調子こいてるなんて言われ他の先輩から目つけられないためです。これは間違いじゃなかったのは何年後かに分かりましたが。
夏休みに入ったら、平日も現場に入れて貰えたんですがとにかくキツかったです。筋肉はあるんですが一日中動くし熱いし日差しもあるし。
汗拭う暇もなく走り回ってました。年下に命令されようが、押忍!以外言わずに働いてたら少しずつ認めてもらえて、お盆休み前日には飲み会に誘ってもらえました。プレ歓迎会?と言われ、女性陣が帰ったら下ネタ祭りでした笑。これは部活でも会社でも一緒なんすね。
「タクト、初体験はいつなん?」
「まだっす!キスもした事ないんす」
「はっ?!ガチ?そんな奴おる?処理どうしてるん?まさかオナニーしか知らんの??」
「そっす!部活しかしてなかったすから。まぁ毎晩予行演習は欠かさないっすから、いつでもいけますよっ!笑」
童貞だって白状するのが恥ずかしい人も多いかと思うが、体育会にいるとそれもネタの一つになるから、自分は聞かれたら普通に童貞だって、白状してました。